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3時19分、「ダヴィンチに替えよう」とO医師が声をかける。
より複雑な手技が必要な場面にさしかかったのである。 MEがダヴィンチのアーム部分を患者の頭近くに移動させた。

ビニールに覆われた3本の黒いアームが患者に覆いかぶさるようにのびてきて、ダヴィンチの専用紺子が腹部に挿しこまれる。 患者はまるで、エイリアンに襲われた宇宙船乗組員である。
3時30分。 O医師が患者から2メートルほど離れた操作台に移動する。
ゲームセンターのゲーム機さながら、カメラ、クラッチ、カメラフォーカス、電気メス用のフットスイッチが並ぶ。 これをクルマのアクセルやブレーキのように両足で操作する。
操作台の中央にあるメガネのような2つの窓をのぞくと、手術中の部分がカラー三次元映像としてみえる。 窓は小淫医師の両目の位置に合わせてあるので、左右の画像がズレもなく立体的にみえるのだという。
左右の操作ハンドルを親指と人差し指で握って操作する。 その動きは、コンピュータ内蔵の操作台からケーブルを通じてダヴィンチの紺子に伝えられる。
このとき、手の動きと紺子の動きの倍率を調節できる機能や、手ぶれを修正する機能があるのも、バルーン(風船)などで腔をつくっておこなわれている。 左が「ダヴインチ」を操作する小浬医師。

右の医師がモニターをみながら支援するで、人間よりもこまかい動作がより安定してできるという。 助手となる医師が患者の両足のあいだに立ち、モニターをみながら、O医師の指示に沿って手術器具を動かす。
たとえば、助手が大きな紺子で周辺をおさえているあいだに、O医師はダヴィンチの紺子で針と糸を操って縫合する。 結び終わったら助手がハサミを挿入し、チョンと糸を切る、という具合である。
「どのくらい〜」針と糸を操作していた小淫医師が結び終わって、たずねた。 「30分20秒です」「じょうずだなあ」思わず、ロボットへの賞賛のため息がもれる。
午後7時17分、手術は終わった。 準備からすると、ゆうに6時間を超す長丁場だった。
熟練の技をロボットが提供「内視鏡下手術はここ10年で医学界の最大のできごとといっていいでしょう。 開腹手術に比べ、手術は劇的に進化したのですから」と、O医師は話す。


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